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単語発見ファイルVol.5「バーチャルアイドル」「高須院長」「池脇千鶴」(2019年2月17日~2月23日)

単語発見ファイルとは

「単語発見ファイル」の連載では、ソーシャル・ビッグデータの検索ツールbeInsightの単語発見機能でみつけた、気になる単語をご紹介します。

単語発見とは

今後流行りそうな何か」や「特定の人たちに熱狂的に支持されている何か」の発見を支援する機能です。Twitterの投稿内容を自動分類し、分類されたカテゴリごとに話題指数が大きい単語をランキングで表示します。
この機能で、各種キャンペーンやプロモーションに活かせるようなブームの兆しを見つけ、早期に対策を打つ、といった使い方をオススメしています。

2019年2月17日~2月23日の話題単語

今回は気になる単語を3つ、ご紹介したい。
動画配信から「バーチャルアイドル」、CMから「高須院長」、映画から「池脇千鶴」だ。

「バーチャルアイドル」

1つ目の単語、バーチャルアイドルについては、昨年のネット流行語大賞となったバーチャルYouTuber[1]や、様々な企業のCMで採用されたこともあるVOCALOIDのキャラクター[2]を想像するとイメージしやすいだろう。
以下にニコニコ大百科より説明を引用する。

バーチャルアイドルとは、人工的に作られた架空のアイドルである。仮想アイドルとも呼ばれる。ニコニコ動画では初音ミクなどのVOCALOIDやUTAUのキャラクターが代表的。アイドルマスターのアイドル達もバーチャルアイドルと呼ばれたが、最近ではそのように呼ばれることは少なくなっている。
https://dic.nicovideo.jp/a/バーチャルアイドル

「最近ではそのように呼ばれることは少なくなっている」とのことだが、なぜ今また盛り上がっているのか。ツイート状況を確認してみよう。

投稿内容をみると、これは株式会社ジャニーズ事務所とSHOWROOM株式会社が2月19日に発表した「Johnny’s×SHOWROOMバーチャルジャニーズプロジェクト」[3]への言及であることがわかる。
リアルなアイドルのみならず、バーチャルなアイドルを作り出すことによって新たなマーケットを開拓しようという取り組みのようだ。

「高須院長」

2つ目は「高須院長」。高須クリニックの院長である高須克弥氏を指す単語がCMのカテゴリで盛り上がりを見せた。

これは、株式会社ドワンゴの位置情報を利用したゲーム「テクテクテクテク」とコラボし、またCMに起用された高須院長のこと[4]についてツイートしていることがわかる。「高須クリニックのCMかと思った」「吹いた」などの声が散見される。
ゲーム自体のツイートはこれまでも一定数存在していたが、思わず突っ込まずにはいられない、俗にいう”ツッコミビリティ”[5]の高いこのコラボ・CMは、じわじわと話題になっているようだ。

「池脇千鶴」

3つ目は映画のカテゴリで盛り上がりをみせた、女優の「池脇千鶴」さんに言及するツイート。

TOHOシネマズで放映されている映画「半世界」についてのレビュー投稿で、出演女優である彼女の名前が出てきている。映画自体は2月15日に公開[6]が始まり、その公開日以降に投稿量が増加している。また、投稿されているレビュー内容はかなり高評価である。

SNSから始まるブーム

SNSで話題になると、ネットのニュースメディアが取り上げて、さらに新聞・テレビといったマスメディアが取り上げる流れになることがある。さらにマスメディアに取り上げられると、そのことがSNS上に投稿され、再び話題になる、といった循環を起こす、つまりはSNSを起点に「ブーム」が生まれることになる。

この循環が起こるように戦略的に仕掛けていこうという取り組みが企業のPR活動であると言える。広告を投じてひたすら商品・サービスの魅力を訴えて「売る」より、第三者の口からいい噂が流れるような活動をして、その商品やサービスが「売れる」空気を作っていこうという活動だ。[7]

その視点から考えると、「バーチャルアイドル」は、基礎票として一定数のファンがいるジャニーズ事務所が、意外性のある分野に進出することで話題になるように仕掛けたPRの一手とみることもできそうだ。
「高須院長」とテクテクテクテクのコラボやCMは、ネット上で話題になるように意識して練られた企画だと思われる。
「池脇千鶴」さんの出演する映画、半世界は、その作品の完成度や池脇千鶴さんの演技の素晴らしさが映画ファンの間で話題になった、自然発生的な投稿増加にみえる。が、何かSNSへの投稿を促すような仕掛けがあったのかもしれない。

SNSの投稿がブームの起点となり、今回紹介した単語に関連する企画や商材が今後大ヒットしていくのか否か、動向が注目されるところだ。


  1. 『ネット流行語大賞2018 ねとらぼといっしょ!』投票結果発表(ガジェット通信)
    https://getnews.jp/archives/2100679 ↩︎

  2. トヨタ カローラのCMやGoogle ChromeのCMなど。
    2011 Corolla: Hatsune Miku: “Chitchat” | Toyota (Toyota USA)
    https://www.youtube.com/watch?v=V23VvF8SQyI&feature=youtu.be
    Google Chrome : Hatsune Miku (GoogleChromeJapan)
    https://www.youtube.com/watch?v=MGt25mv4-2Q&feature=youtu.be ↩︎

  3. バーチャルジャニーズ配信スタート(SHOWROOM)
    https://www.showroom-live.com/campaign/v_johnnys ↩︎

  4. 「テクテクテクテク」と高須院長(高須克弥氏)のコラボ開始(株式会社ドワンゴ)
    http://dwango.co.jp/pi/ns/2019/0215/index.html ↩︎

  5. 突っ込まれ易さを意味する造語(Tsukkomi+ability)。ツッコマビリティと呼ばれることも。突っ込まれる要素がある企画やコンテンツのほうが、ソーシャル上で話題にされやすいと言われている。
    参考:カップヌードルの仕掛けはなぜウケる?——「いじられてなんぼ」のつっこまビリティ(Business Insider Japan)
    https://www.businessinsider.jp/post-106329 ↩︎

  6. 映画「半世界」(公式サイト)
    http://hansekai.jp/ ↩︎

  7. このようなPRの考え方については、以下の書籍に詳しい。
    新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。 (アスキー新書)
    https://www.amazon.co.jp/新版-戦略PR-空気をつくる。世論で売る。-アスキー新書-本田哲也/dp/4048689592 ↩︎